農作物から「食」を考える。作物に影響を与える3つの要素
栽培作物の生育は気象条件や土壌条件などの自然環境に大きく影響されます。そのため、作物はその特性にあった気象・土壌などの地域で適切な時期に応じて栽培する必要があります。
今回は、作物生育に大きな影響を与える3つの環境要素について考えていきます。
作物生育に大きな影響を与える3つの環境要素
作物栽培の生育には大きく3つの環境的要素があります。
- 気象的要素
- 土壌的要素
- 生物的要素
これら3つの要素は人為的にコントロールすることが難しいため、作物生育にとって重要な要素になってきます。栽培作物を選ぶ時にはこのことをよく理解した上で選定することが必要になってくるでしょう。
気象的要素とは
気象的要素には次のようなものがあります。
- 温度
- 湿度
- 日照時間
- 降雨
- 風
- 霜、雪
日本列島は南北に縦長な地形で地域によって四季がさまざまです。そのため、地域によって大きく気象条件が異なってきます。夏の台風や冬の降雪などが良い例でしょう。露地栽培の場合は特に気象的要素を受けます。このことを踏まえた上で適切な作物を選び、その作物の特性にあったものなのかを十分に検討した方が良いでしょう。
土壌的要素の3つの特性
土壌的要素には大きく3つの特性があります。
- 化学性(ph・養分など)
- 物理性(通気・排水性など)
- 生物性(土壌微生物・センチュウ 他)
これら3つの特性は地域によって大きく異なってきます。土壌の化学性について考えられるのは、主に肥料分や有機物などが土壌にどれくらいあるのかということです。
土壌の物理性とは、その土地の排水性や断層などの形状がどのようになっているのかを考えることになります。
そして土壌の生物性はその土壌にどのような微生物が生息しているのかなどの生態系を意識することになります。
これら3つの土壌特性を知ることは、作物栽培を適切に行う際にとても重要な要素になってくるでしょう。
生物的要素について
作物の生育に大きな影響を与える要素として「鳥獣被害」があります。これらをまとめて生物的要素として考えるべきでしょう。
生物的要素の代表は次の通りです。
- 病害虫(アブラムシ・ヨトウガなど)
- 雑草 (スギナ・チガヤ 他)
- 鳥獣類(カラス・シカなど)
自然界の生物にはさまざまな特徴があり多種多様です。作物を生産する上でこれらの生物とどのように共存していくか考えることは、とても大切になってくるでしょう。
作物と自然界の生き物との関係を理解していくことは、生産者だけではなく、食事をする全ての人類にとって必要不可欠な分野になってくるでしょう。
基本を忘れずに実行すること
今回は作物生産の基本を考えてみました。この3つの基本的要素をしっかりと考慮して、作物生産・栽培に取り組んでいきましょう。また、この基本的要素は、作物を育てる人だけでなく、消費者として野菜や果物を購入する人にもぜひ知っていただきたいと思います。
作物栽培は人が生きていくために必要な行為です。これがどのように行われているかを知ることは、「食」を通しての環境課題を解決する大きな要素になると思います。
この機会に普段の食事を「作物」の生産現場から考えてみましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。