いま話題の「アグロエコロジー」とは?時代に必要なキーワード
ここ最近では気候変動や異常気象による自然被害が多くたなぁ。そう感じることがとても多いような気がします。その中で最近気になるワードのひとつに「アグロエコロジー」があります。
これはどういう意味なのでしょう。聞きなれない言葉だけど重要な感じがするので調べてみました。
こちらの記事の参考:「現代農業 季刊地域NO55」より。
「アグロエコロジー」とは?
何となく環境に優しそうな言葉ですね。
直訳すると、「農生態学」と言われています。
アグロエコロジー(agroecology)は、「科学」「実践」「運動」という3つの側面を持つ持続可能な農業やフードシステムを開発するための総合的な営みである。
「現代農業 季刊地域NO55」より引用
農業(Agriculture)と生態学(ecology)を組み合わせた造語で、カリフォルニア大学サンタクルーズ校のスティーブン・グリースマン教授(現名誉教授)たちによって1970年代から研究・実践・教育をリードしてきた経緯があります。
日本では1996年に来日したグリースマン教授から直接学んだ東京農業大学客員教授の村本穣司さんが有名です。
アグロエコロジーの3つの要素
持続可能な農業とフードシステムのための営みであるアグロエコロジーですが、そこには3つの側面があります。
- 科学: 基礎としての生態学(生物と環境の関係を研究する学問)
- 実践: 農業者の地域固有の知識や経験を生態学の知識と融合してより持続可能な農法と現場のシステムを作り出す。
- 運動: より公平な食料配分を目指し、それを決める権力関係と経済・社会システムの根本的な変革を目指す。
「全ての人々が、」というかなり大きなビジョンではありますが、この考えをもとに身の回りからの変革を望む人々が増え続けるならば、世界的なものに発展するでしょうね。
実際に現在では国連、EU、フランスなどの農業政策や中南米の農民運動において重要な役割を果たしているというニュースも増えてきています。
日本は少し遅れをとっているというのが現状。私を含めもっと関心を持たなければ豊かな食の持続性に影響するでしょう。
科学の限界を認めることが重要
アグロエコロジーの3つの要素にもある『科学』ですが、その限界を認めなければならない。
なんだか矛盾しているように思えますが、科学を否定しているわけではありません。
どういうことか?
上記の3つの側面を統合する手法として重要視されているのが「超学際的な知識の共創」と「参加・行動型研究」です。
知識だけでなく、五感や地域の歴史・伝統といった現場のリアルを認識して、科学などの学問的知識や技術を活用していく。
科学技術の進化によって、便利さや快適に暮らすための物はたくさんある。しかし、その反面のある環境や資源不足などたくさんの不具合が出てきました。
科学に頼りすぎず、いろいろな側面から観察していくことが重要になってくる。
そして生産者、労働者、消費者、その他全ての職に関わる人たちが関わり行動することが大切だということですね。
持続可能に必要なのは行動力
今回は「アグロエコロジー」について考えてみました。持続可能な農業と食についての考え方を学び、とても大切な事だと気付かされました。
しかし、本当に大事なのは3つの要素の中にあった「実践」だと私は思う。
知識や経験はもちろん大切だし、必要不可欠でしょう。ただ、何事も行動しなければ「絵に描いたもち」になってしまう。
まだまだ経験不足の私ですが、知識を学びながらも「自然栽培」の現場ではあたらきながら、知識・教養の勉強も継続していきます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。