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【旬の食材】小松菜の栄養価が多い理由。やさいの性質と環境の深い関係

冬の葉物やさいでカルシウムやビタミンを多く含む野菜といえば「小松菜」ですね。煮物やお雑煮・お浸し・炒め物などの料理には欠かせない食材です。

栄養もたっぷりで食べやすく調理しやすいのも魅力の緑黄色野菜でも知られている小松菜。今日はその魅力を考察していきます。

※こちらの記事はポッドキャストでもお楽しみ頂けます。

小松菜ってどんな野菜?

まずは一般的な小松菜の基本を見ていきましょう。

  • アブラナ科、アブラナ属
  • 1年生
  • 中国・日本原産
  • 発芽適温:20℃〜30℃
  • 生育適温:15℃〜25℃
  • 発芽:播種から3・4日くらい
  • 収穫:春まき30〜40日、秋まき80〜100日

日本原産と言われているように、冷涼な気候を好むタイプですね。ちなみに「小松菜」という名前がつけられたのは、東京の小松川界隈で栽培されていたものを見た、江戸時代の八代目将軍・徳川吉宗によって命名されたという説が有名です。

主な生産地も茨城県をはじめ、埼玉・群馬・千葉・東京・福岡となっており関東圏が圧倒的に多くなっています。

参照:作物統計調査 / 作況調査(野菜) 確報 令和4年産野菜生産出荷統計

小松菜の栄養と特性

小松菜に多く含まれている栄養素には次のようなものがあります。

  • カロテン
  • ビタミンC
  • 鉄分
  • カルシウム
  • カリウム

疲労回復や免疫力向上・骨や歯の健康にも役立つミネラルがたっぷり含まれているようです。ミネラルは栄養学による5大栄養素のひとつで、生命維持に欠かせないものになっています。

なかでも、カルシウムの栄養成分はほうれん草に比べて3倍以上の量があると言われています。そしてカリウムの栄養成分の量も多く含まれているデータが目立ちます。

参照:wikipediaコマツナ

でもなぜ、小松菜にはそのような栄養素が含まれているのでしょうか。

小松菜にカルシウムが多く含まれる理由

小松菜には他の野菜と比べて、塩基類を多く必要とする植物としての特性があります。

※野菜生産における塩基類(陽イオン)とは、カルシウム(石灰)・マグネシウム(苦土)・カリウム・ナトリウムのことを言います。

つまり小松菜は成長する中で、カルシウムをたくさん欲しがる性格の持ち主であると言える。カルシウムの要求量が多い理由は、不足すると葉の縁が巻き込んでしまう生理障害が起きてしまうと考えられているからです。

自分の身を守るために、必要になるカルシウムを取り込んでいるんですね。

それが結果として、小松菜に栄養成分として蓄えられていることにつながっている。

カリウム不足は病気になるかも

そしてカルシウムと同じように、カリウムの必要量も多くなっています。

小松菜の生育にカリウムが不足すると、葉緑白斑症状が発生しやすくなります。この症状が出ると病原菌が繁殖しやすくなり、白斑病へと進行する恐れがあります。

そのため小松菜はカリウムを多く吸収して自身に取り込んでいるんですね。

環境がおいしい野菜を育てる

今回は小松菜の基本的な性質と栄養素について考えてみました。

野菜を育てるには環境がとても大切です。その中でも「土」は特に重要な役割を果たしている。土壌の中に野菜が根を出し、そこから自分に必要な栄養素を吸収して成長していく。

このことを理解して環境を整えていけば、野菜はもっと元気に育ってくれるでしょう。それは私たちにとっても嬉しいことです。

なぜなら健康に育った野菜が食卓に並べば、食べる人の健康にもつながるから。

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