デパ地下に台湾スイーツ。「豆花」の魅力と基礎知識
若いころ、料理人をしていた時によく作っていたことを思い出した「豆花」。アジアのデザート文化に欠かせない一品とも言えるそのスイーツは、繊細な甘さと滑らかな口当たりで多くの人に愛されています。
今回は、豆花の歴史と製法に加え、台湾だけでなく中国と東南アジアの地域ごとの豆花の食べ方にも焦点を当てて、アジアのデザートの魅力に迫ります。
※この記事はPR TIMES「LOVE♡TAIWAN ~台湾グルメ ちょっと雑貨~」を参考にしています。詳しくはリンクをチェックしてくださいね。
豆花(ドウファ)ってなに?
豆花とは、原材料の大豆から豆乳を生成して苦汁や硫酸カルシウムなどの凝固剤を加えて固めたものです。近年はゼラチンや寒天などを使用しているものが多くなっています。
また地域によって呼び名が異なり、豆腐花(ドウフファ)や老豆腐(ラオドウフゥ)などと言ったりします。
豆花の歴史
豆花は、アジアの各国で歴史と文化に深く結びついています。初めて登場したのは、清朝時代。当初は宮廷での贅沢なデザートとされていましたが、次第に一般の人々にも広まりました。
また諸説ありますが中国で約400年続いたの漢の時代に、劉安が病気の母親のために、大豆の豆乳と漢方薬の食用石膏を混ぜあわせ豆腐を作った、という説もあります。
戦後、各国が発展する中で、豆花はアジア全体で一般的なデザートとして親しまれ、地域ごとに独自の特色を持つようになりました。
原材料ダイズの基礎知識
豆花の主要な原料であるダイズ。これは大豆の一種であり、豆花の製法において欠かせない存在です。
まず、ダイズの作物としての特徴は・・・
- マメ科ダイズ属
- 1年生
- 東アジア原産
- 適性p H:6.0~6.5pH
- 排水性の良い土壌を好む
- 空気中の窒素を固定する根粒菌が着生する
- 根粒菌は夏季の旱魃に弱い
- 出芽時の室外に弱い
- 連作障害がある
ダイズは野菜の中でも珍しい「根粒菌」という細菌が共生しています。この細菌が持っている酵素のおかげでダイズは栄養分を豊富に得ることができています。
ダイズは栄養価が高く、たんぱく質や脂質・炭水化物・食物繊維が豊富に含まれている。そのため、ダイズから得られる豆乳は、健康にも良いとされています。アジアの伝統的なデザートである豆花には、健康的な原料が使われていることも、その魅力の一端といえるでしょう。
豆花の作り方とバリエーション
ダイズから得られる豆乳が豆花の製法において重要なのは、その栄養価だけでなく、なめらかな口当たりや深い味わいを生み出すことにも関わっています。大豆を挽いて豆乳を抽出し、これを煮詰めて豆花のもととなるプディング状のものにします。このプディングを冷やし、カットして器に盛り付けられます。最後に、濃厚なシロップやフルーツ、トッピングが添えられ、出来上がりです。
また豆花のバリエーションもいろいろあります。
伝統的な豆花に加えて、現代的なアレンジやフレーバーのバリエーションが豊富です。例えば、台湾ではマンゴーやストロベリーをトッピングしたフルーツ系の豆花が人気ですが、中国では紅豆や糖水をトッピングした甘さ控えめな豆花が好まれます。東南アジアでは、ココナッツミルクを使用したり、パンナコッタのような食感のバリエーションも楽しまれています。
地域で変わる豆花の食べ方
台湾:
台湾では、トッピングにシロップやフルーツを重視し、軽やかな甘さを楽しむ傾向があります。地元の店では、季節ごとに変わる新鮮なフルーツをトッピングとして提供し、色とりどりのビジュアルも楽しむことができます。
中国:
中国の豆花は地域によって様々あります。広東や中国南東部では、台湾と似たようなスイーツとしての食べ方が多いようです。
北京など中国北部では、ネギや生姜などの薬味にキクラゲやキノコ類・野菜などを入れて塩辛くした料理が目立ちます。
そして、四川など中国西部では香辛料を使用し辛い料理が多くなっています。みなさんご存知の麻婆豆腐はまさしくこの料理ですね。
東南アジア
東南アジアでは、ココナッツミルクを使用したり、タピオカパールをトッピングすることが一般的です。特にタイやベトナムでは、色とりどりのジュレや果物が入ったバリエーションが豊富です。
魅力的なスイーツで文化を味わおう
アジア各国で愛される「豆花」。その歴史と製法に触れながら、地域ごとの食べ方が豊富なバリエーションを楽しませてくれます。アジアのデザート文化に触れ、新しい味覚の発見をしてみてください。近くのアジアンマーケットやレストランで本物の豆花を試してみると、異なる地域の文化が口の中で融合して、新たな食の冒険が広がりますよ!
健康的で美味しい、アジアのデザート、豆花の世界を楽しんでください!